2013/10/06
シェアウェア化から一年を振り返って
マウ筋Liteを皮切りに他の作品もシェアウェアに変更してから約1年、フリーウェアのみ公開していた頃とは比較にならない程、ソフトウェアを取り巻く環境が変化しました。
それら全てを総合しても、結果的に良かったと実感しています。
何が良かったのか? 一般的に真っ先に思いつくものは想像に難くはありませんが、それは比較的上位であっても常に1位とは限りません。
その理由は次のエピソードに含まれています。

・最近、シェアウェアに関する古い本を読みました。革新的な経済システムかどうかはさておいて、そこで述べられている作者達が得られたことは私も頷けることが多々あります。
さて、ここで重要な点がありました。ユーザの立場だけでなく、作者の立場としても内容を実感することができたことです。私はそれが堪らなく嬉しい。結局、他の立場で本当の意味で考えるためには、その立場にならないと分かるわけがないという当たり前のことを改めて思い知りました。

・シェアウェアはダウンロード数に対する登録者の割合はX%で、問い合わせ状況がこのように変化して云々、というシェアウェアに纏わる話題はありますが、本当のところは分かりません。
実際にその立場になってみると、少なくとも自ら経験したことは事実として回答が得られました。

・ソフトウェアを作成して公開した方は、少なからずどこでどのような人がどのように使用されているのかが気にかかると思います。
私もそうでした。でした、というところが既に結論になってますが、正規ユーザの方々は作者も驚くくらい熱心に使用されており、様々な問い合わせを受けることがあります。
中には身分や所属などを明かして如何に真剣な相談なのかを伝えられる場合もあるため、居住まいを正して拝見することもしばしばあります。全てに回答はできませんが、必要と判断した件については微力ながら協力させて頂くこともありました。

そのようなメールを頂くと自然に様々な業種や個人・企業で使用されていることも分かるため、世の中には思っていたより意外なほど需要があるのだと、視野が広がり勉強になります。
中には世界有数の著名な企業も含まれており、そこから使用目的とそのための改善案を提示された時は、座っている椅子と一緒にひっくり返りそうになるほど驚愕したものです。その際は、全面協力させていただき、新規機能を数点搭載いたしました。
感謝の言葉を頂きましたが、こちらこそ感謝しております。趣味で作成した拙作が最先端の現場で使用されていることは、一ソフトウェア作家としてこれ以上ない誉れです。
新機能を作成していた当時は徹夜して朝日が昇っても全く眠くならず、さらに日が沈むまで夢中で対応していたことは、今でも良い思い出です。

・シェアウェアはソフトウェア開発にユーザも関わり協力することだと考えています。
少なくとも使用することに対する対価が支払われる事実が発生するため、開発に対する貢献は確実に行われます。そこから更に有用なコメントが送られると尚素晴らしいのですが、それはオプションであってマストではありません。
でも折角ユーザになったのですから、使用感や要望などを述べてみると良いかも知れません。少なとも拙作を価値があると判断して行動を行った正規ユーザに対し、作者は好意的に思わない訳がないためです。そのため、常識的な内容であれば目を通しますし、有用な情報と判断すれば何かしらの回答は行われるでしょう。
実際に、ユーザの声から生まれた機能が複数存在します。
実現されたらユーザにとって+αの利益、そうでなくても損はありません。
とりあえず発言してみて、正規ユーザとなったソフトウェアを更に"シェア"してみませんか?

・シェアウェア化するということは、利点だけではありません。そうでない場合もあります。
とあるファイラーに寄付を募った結果、逆に開発中止になるという事態が起きました。また別の例として、シェアウェア化の検討をしたが取りやめたというエピソードも目にしました。
大なり小なり、開発の継続にプラスになる願いから生じた行動だと思われますが、行動を公の場で行うということの難しさ故でしょう。
周囲の影響というのはプラスになることも、逆になることもあります。
では、拙作シェアウェア第一号のマウ筋Liteはどうだったでしょう。
それは、変更履歴と既に述べた経緯が全てを表しています。


さて、少々長くなってしまいましたが、色眼鏡無しで文章を眺めれば冒頭の何が良かったのかはもうお分かりではないかと思います。
つまりはそういうことなのです。


ところで、拙作の多くは作者が必要な分まで完成しているため、今後の更新速度は従来どおりでは無くなるかもしれません。明確な不具合や新OSへの対応等、必須と判断した場合のみ更新することになると思います。
そこで益々重要なのは"シェア"することです。もしかしたら貴方の声が反映されるかも知れません。
貴方も"シェア"してみませんか?

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